フライアッシュコンクリートを用いたプレキャスト製品
強度特性と環境性能に優れたプレキャストコンクリート製品
当社では、フライアッシュを用いたコンクリートを使ってほとんどのプレキャストコンクリート製品を製造しています。(ポーラスコンクリート製品以外)
フライアッシュコンクリート
フライアッシュを混和材として利用することにより、コンクリートの長期強度が増進し、組織が緻密化して密実なコンクリートとなります。
また、フライアッシュは、アルカリ骨材反応の抑制や水和熱の低減、化学抵抗性の向上など多くの優れた特性により、コンクリートの耐久性を総合的に向上させます。
フライアッシュコンクリートの特徴(日本フライアッシュ協会HPより抜粋)
セメントにフライアッシュを混合した場合、ポゾラン反応が長期間継続するため、セメントだけの場合よりも長期強度が増進し、耐久性に富んだ構造物ができます。
フライアッシュのアルカリシリカ反応抑制効果は古くから知られていましたが、独立行政法人土木研究所、(財)土木研究センター、(財)電力中央研究所および日本フライアッシュ協会の共同研究で、フライアッシュの使用によるアルカリシリカ反応の抑制が証明されました。
フライアッシュを混和したコンクリートは、フライアッシュの代替率が増加する程セメント量の減少により、硬化後の収縮率が小さくなり、ひび割れ現象が起こりにくく堅牢な構造物となります。
セメントにフライアッシュを混合すると、セメント中の遊離石灰とフライアッシュのシリカやアルミナとが結合して、不溶性の固い物質を作り、コンクリートの組織を緻密にして、その水密性を増し日時の経過とともに著しく効果を発揮します。
※フライアッシュに含まれる未燃カーボン分の影響で製品が黒く、明度が低くなります。
フライアッシュとは
- フライアッシュは、石炭を燃料として用いる火力発電所において燃焼ガスとともに吹き上げられる球状の微粒子で、電気集塵機などで回収されます。
- JIS A 6201 コンクリート用フライアッシュとして品質規格が定められており、当社で使用するフライアッシュは、この規格に適合しています。
- 火力発電所による発電ニーズが一層高まり、フライアッシュの生産量が増加することが予測されます。フライアッシュコンクリートの利用は、環境・耐久性の面から非常に重要です。
【当社で製造しているJISマーク表示製品も、フライアッシュコンクリートで製造しています。(積みブロック、境界ブロック、上ふた式U形側溝、落ち蓋側溝、Gr・L型擁壁)】
ポーラスコンクリートを用いたプレキャスト製品
ポーラスコンクリートを用いて適切に製造された河川護岸ブロックには以下の効果が期待できます。
- 植生機能
- 透水機能
- 生物生息機能
- 景観機能
当社では、「強度重視の河川護岸ブロック」においては透水機能と景観機能、「植生重視の河川護岸ブロック」においては植生機能、透水機能、生物生息機能、景観機能に期待して、骨材径(空隙径)・強度の異なるポーラスコンクリートを用いた護岸ブロックを製造しています。
護岸ブロックの景観対応について
1.護岸ブロックの平均明度証明書
背景
- 平成26年3月に改定された「美しい山河を守る災害復旧基本方針」では、護岸が露出する場合の注意点として、「法面の明度は6以下を目安とする。」 「彩度を抑制し、周囲の景観と調和させる。」 「テクスチャーを持たせる。」 「表面の景観パターンに留意する。」というポイントが明記されました。
- 護岸ブロックの明度測定方法について、独立行政法人土木研究所自然共生センターと公益社団法人全国土木コンクリートブロック協会との共同研究成果として「護岸ブロックの平均明度測定方法(案)」が制定され、公益社団法人全国土木コンクリートブロック協会は平成26年8月から以下のフローで護岸ブロックの平均明度証明を実施することとなりました。(当初積み護岸のみ。)
- 平成27年1月には緩傾斜護岸ブロックの明度測定を加味した「護岸ブロックの平均明度測定方法(案)」が公表され、同年2月から張り護岸に関する明度証明の受付も開始されました。(最新情報は全国土木コンクリートブロック協会HP参照)
※災害復旧箇所河川環境特性整理表(A表)の設計・施工チェックリストには【護岸の明度6以下を目安】と表記されています。
※災害査定時及び災害成功認定時に【明度】の確認が必要となりました。
河川に使用される可能性のある弊社の護岸ブロック類(積み護岸用・緩傾斜護岸用)は「明度証明書」を取得しています。
撮影状況等
講習会を受講した弊社職員が「護岸ブロックの平均明度測定方法(案)」に準じて写真撮影。
写真データを公益社団法人全国土木コンクリートブロック協会へ送信し明度判定依頼。
平均明度一覧
公益社団法人全国土木コンクリートブロック協会発行の明度証明書に記載された平均明度です。
2.護岸ブロックのテクスチャー証明書
背景
- 平成26年3月に改定された「美しい山河を守る災害復旧基本方針」では、護岸が露出する場合の注意点として、「法面の明度は6以下を目安とする。」 「彩度を抑制し、周囲の景観と調和させる。」 「テクスチャーを持たせる。」 「表面の景観パターンに留意
する。」というポイントが明記されました。しかしながら、具体的なテクスチャーの評価方法が示されていないため、個々の護岸ブロックのテクスチャーを評価することは困難でした。 - そこで、(国研)土木研究所自然共生研究センターと(公社)全国土木コンクリートブロック協会との共同研究の成果を基に「護岸ブロックのテクスチャーマニュアル(案)」が平成29年9月に公表され、(公社)全国土木コンクリートブロック協会は同年10月から以下のフローで護岸ブロックのテクスチャー証明を実施することとなりました。
※護岸ブロック表面の画像データから抽出した輝度の標準偏差を指標としてテクスチャーを定量的に評価する方法
(最新情報は全国土木コンクリートブロック協会HP参照)
※平成30年6月に改定された『美しい山河を守る災害復旧基本方針』には「護岸ブロックの選定に当っては肌理(きめ)を持たせるという観点から、輝度の標準偏差は11以上を目安とすることが望ましい。」と記載されています。 |
※当社では、河川に使用される可能性のある弊社の護岸ブロック類(積み・緩傾斜護岸用)は「テクスチャー証明書」を取得しています。 |
撮影状況等
講習会を受講した弊社職員が「護岸ブロックのテクスチャーマニュアル(案)」に準じて写真撮影。
写真データを公益社団法人全国土木コンクリートブロック協会へ送信しテクスチャー判定依頼。
テクスチャー証明一覧
(公社)全国土木コンクリートブロック協会発行のテクスチャー証明書の一例です。